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執筆者の写真KAKIAGE STUDIO

伊豆長岡の闇 (1)



よく行く温泉があるんです。

地元の人がよく行くところで、310円で入れるし、綺麗なところ。

受付のひとに半券を渡して入るところで、入り口にはちょっとした座るところがある程度。

休憩所なんてもんじゃない小さな温泉なんです。

おじさんは地元の人で、何人かでローテートしてるのかいつも違う。

この前の話、いつも通りさっと入って、

みほかすを入り口で待ってた。

いつものおじさんは無愛想で、何も話すことがなかったけど、

この前のおじさんはなかなか話しやすかったから、ちょろっと喋ってたわけ。

「いつも何時ぐらいが空いてるんですか?」

とか

「ここは観光客も来るんですか?」

とか

聞くとおじさんは20年前に伊豆長岡に来たみたいで、生まれは違うみたい。

なんだかいる予定もないのに、気づいたらそんなに時間がたっていたと。

「昔はここも盛り上がっててね」

「今じゃここは死んだ町だよ」

昔、この温泉が面してるメイン通りは人が溢れてたようで、ストリップ劇場も二軒あったよう。

東京からそんなことを目的に来る人がかなりいたみたいだけど、いまはその劇場も潰れたとのこと。

わいらもここに住んで3ヶ月になるけど、

そんな雰囲気は1ミリも感じない。

通りに人もいないし、お店もここにのせた写真のような射的屋が二軒あるだけ。

だけど、そのおじさんの話は

おれらのまったく知らないこの町の裏の話だった!

(次回に続く)


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