よく行く温泉があるんです。
地元の人がよく行くところで、310円で入れるし、綺麗なところ。
受付のひとに半券を渡して入るところで、入り口にはちょっとした座るところがある程度。
休憩所なんてもんじゃない小さな温泉なんです。
おじさんは地元の人で、何人かでローテートしてるのかいつも違う。
この前の話、いつも通りさっと入って、
みほかすを入り口で待ってた。
いつものおじさんは無愛想で、何も話すことがなかったけど、
この前のおじさんはなかなか話しやすかったから、ちょろっと喋ってたわけ。
「いつも何時ぐらいが空いてるんですか?」
とか
「ここは観光客も来るんですか?」
とか
聞くとおじさんは20年前に伊豆長岡に来たみたいで、生まれは違うみたい。
なんだかいる予定もないのに、気づいたらそんなに時間がたっていたと。
「昔はここも盛り上がっててね」
「今じゃここは死んだ町だよ」
昔、この温泉が面してるメイン通りは人が溢れてたようで、ストリップ劇場も二軒あったよう。
東京からそんなことを目的に来る人がかなりいたみたいだけど、いまはその劇場も潰れたとのこと。
わいらもここに住んで3ヶ月になるけど、
そんな雰囲気は1ミリも感じない。
通りに人もいないし、お店もここにのせた写真のような射的屋が二軒あるだけ。
だけど、そのおじさんの話は
おれらのまったく知らないこの町の裏の話だった!
(次回に続く)